巨人「中田翔」と「報知新聞」は暴力事件をすっかり忘れたのだろうか【篁五郎】
もし中田が増長して後輩へ暴力やいじめをしたら巨人はどんな処分を下すのだろう。恐らく知らん顔をして逃げるのではないか。それは原辰徳監督が不倫関係を暴力団員に知られ、脅迫されて1億円支払ったのと、暴力団員と知って金を渡した場合は野球協約違反となるため記者会見で「反社会的勢力ではない」とうそをついた件での対応でも明らかだ。週刊文春に事件を報じられると巨人側はなんと文春を提訴。裁判は1審東京地裁判決は、記事の内容が真実と信じる理由があったとして巨人の請求を棄却。2審東京高裁も「巨人の担当者が会見で虚偽の説明をしたと推認できる。記事の主要部分は真実だ」と支持し、巨人側の敗訴が確定している。敗訴が確定した時に巨人側は「事実誤認の甚だしい不当な判決が確定したのは極めて遺憾だ」とコメントしている。
この件で見て取れるのは巨人の「我こそは球界の盟主である」という不遜な態度だ。はっきりと言っておきたいが、巨人が球界の盟主だったのは20世紀の終わりまでだ。1990年の日本シリーズで西武ライオンズに4連敗をした時点で終わりを告げている。そもそも10年間日本一になっていない球団が盟主のわけがない。客観的に見れば、現在の球界の盟主は福岡ソフトバンクホークスだろう。広島東洋カープファンの筆者もそう思うくらい21世紀に入ってからの実績がずば抜けている。巨人が盟主に返り咲きをしたいのならば、先ずは野球協約違反疑惑の原辰徳の処分から始めてみたらいいだろう。《終わり》
プロフィール:篁五郎
1973年神奈川県出身。小売業、販売業、サービス業と非正規で仕事を転々した後、フリーライターへ転身。西部邁の表現者塾にて保守思想を学び、個人でも勉強を続けている。現在、都内の医療法人と医療サイトをメインに芸能、スポーツ、プロレス、グルメ、マーケティングと雑多なジャンルで記事を執筆しつつ、鎌倉文学館館長・富岡幸一郎氏から文学者について話を聞く連載も手がけている。
文:篁五郎